伊藤潤二さんの傑作ホラー「うずまき」解説 何が起きる?うずまきによる怪奇現象と作品の魅力

アニメ

ホラー漫画家・伊藤潤二さんの代表作といえば、まず「富江」シリーズと「うずまき」の名前が上がることでしょう。
近頃ですと、2021年にアメリカで開催された漫画賞のひとつ「第33回ウィル・アイズナー コミック・インダストリー・アワード」にて、「Best Writer / Artist部門」を受賞した作品
『地獄星レミナ』
『伊藤潤二短編集 BEST OF BEST』
この二作も名前が上がるかもしれませんね。

今回はそんな伊藤潤二さんの作品の中でも、「うずまき」について解説しようと思います。

少年ジャンプにて5500万部突破の人気漫画「呪術廻戦」にてオマージュされたこともあり、「うずまき」という名前をご存じの方が多いであろう作品です。しかしオマージュされたことは知っているけど、元ネタである「うずまき」で何が起きているのかは知らない方も多いと思います。

今回の内容は
ホラーは苦手だし怖い!でも「うずまき」の内容は知りたい!
そんな方には特にオススメのものとなりますので、ぜひ最後まで読んでいってくださいね。

【注意】
伊藤潤二さんはホラー漫画家で、当然「うずまき」のジャンルもホラーです。
怖いもの、グロテスクな内容が苦手な方は注意してください。

「うずまき」とは?

そもそも、「うずまき」とはどういった作品なのでしょうか。

「うずまき」は「週刊ビッグコミックスピリッツ」にて1998年~1999年の期間で連載された伊藤潤二さんの漫画作品です。

呪われた架空の土地・黒渦(くろうず)町に住む女子高生・五島桐絵と、その恋人である斎藤秀一の周りで起こる、「うずまき」にまつわる惨劇や怪奇現象を中心とした物語が、オムニバスのような形式で語られています。
全3巻なので、気軽に読めることも魅力の一つです。

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うずまきのメディア化

うずまきは2000年に日本国内で映画化されており、
2022年10月には、「UZUMAKI」と名前を変え、米国法人Production I.G.,LLCと北米のアニメ専門チャンネル・カートゥーンネットワークの共同プロデュースにより、全4話のミニシリーズとしてアニメが北米で放送される予定となっているようです。

簡易・登場人物紹介

五島桐絵

伊藤潤二『うずまき』

本作の主人公で、一般的な感性を持つ女子高生。かわいい。
本編内において他の男性から「美しい」といった賛辞を与えられていることから、うずまきの世界でも美人の部類に入る様子。彼の事を信じていたり、台風が来ていてもお弁当を届けようとしたり…古きよき(?)大和なでしこ的な女性像をしています。
伊藤潤二さんの描く女性はいつもかわいいのですが、彼女も大変かわいいキャラクターです。
よって彼女は、とりあえず「かわいい女の子」という認識で問題ないと思います。

斎藤秀一

伊藤潤二『うずまき』

主人公・桐絵の彼氏です。
うずまきによって町が次第におかしくなっていることを、隣町の高校に通っている(隣町と黒渦町を比較できた)ため、彼が最初に気づいていました。
本編初期こそ桐絵と共に町を出ようとしていましたが、話が進むにつれて事件が起こるたびに「ほらみろ。うずまきが原因なんだ」などとネガティブな思考に落ち込むようになり、やがて根本的に物事を解決しようという気力が失せたのか、次第にうずまき事件の原因を解説するポジションへと収まっていきます。
とはいえ、桐絵の彼氏という立場は伊達ではありませんでした。桐絵がピンチの時には、どんなに危険だろうと、絶対に彼女を守り抜こうと行動します。やるときはやる男なのです。

「うずまき」における怪異

本作における「うずまき」の影響には、大きく分けて3つの種別があります。今回はその種別ごとに分けつつ、発生した怪異について解説していきます。

『精神への影響』(1~4話)

簡単な概要

このフェーズは物語の中でも序盤に当たる部分であるため、まだ「不気味な話」で澄まされる範疇のエピソードとなっています。

人は暗闇に対して言葉に出来ない恐怖を感じますが、このフェーズもそれと同じ感覚です。
何が怖いとは具体的に言い表すことはできないのですが、「うずまき」に執着する人々の行動が常軌を逸しているものであることから、底知れぬ恐怖を感じます。

少しずつ人々が「うずまき」に犯されていく様が描かれるため、ホラーテイストが強めです。

主な怪奇現象

うずまきマニア

まず最初に起きる怪異は、秀一の父がうずまきにドハマりし、うずまきマニアとなってしまうことです。

これだけ聞くと「なんだ。別におかしくもなんともないじゃないか」と鼻で笑ってしまうかもしれませんが、そのマニアぶりが尋常ではないのです。

秀一父は、路地裏のような狭い場所で1人座り込み、挨拶した桐絵も無視して蝸牛を眺め続けるなど、うずまきに対する並みならぬ執着が垣間見えます。

ちなみにこのとき、桐絵は無視されても「変なの」で済ませてしまいますし、秀一にそのことを伝えて秀一が「親父がおかしいんだ」と言っても「うずまきに凝るのは別に変な事じゃないと思う」と、逆に秀一を諭します。桐絵さん、女神すぎる。

伊藤潤二『うずまき』

やがて秀一父は会社へも行かくなり、書斎に閉じこもってひたすらうずまきを眺めるようになりました。一旦うずまきを見つめたら最後、人の声は耳に入らなくなるほどに。

伊藤潤二『うずまき』

味噌汁に鳴門巻が入っていないと怒鳴り、風呂に入るときは必ず渦を作ってから入浴する。

あまりにも行き過ぎたマニアぶりに、秀一母はとうとう我慢の限界。父のうずまきコレクションを総て捨ててしまいます。

これに父は激怒しますが(これは怒られても仕方がない)、今度は「うずまきは自分で作り出せるのだ!」と自分の目でうずまきを作り始めます。
これを機に秀一父の行動はエスカレートし、舌でうずまきを作るなど

伊藤潤二『うずまき』

自分の身体でうずまきを作るようになった結果…

自らの身体をうずまきにするために樽の中へ入り、とうとう死亡してしまいます。

伊藤潤二『うずまき』

秀一父の最後の姿は大変有名なものなので、ご存じの方も多いでしょう。
自らうずまきとなるため、自ら命を絶つ…。初めこそ秀一父の趣味が悪いものではないと考えていた桐絵も、秀一父の最後には顔を青ざめさせてしまいます。

うずまきへの恐怖

秀一の父がうずまきマニアになったのとは対象に、母は焼却炉から立ち上った煙によって見えた父の顔、そしてうずまきから尋常ではないレベルでうずまき恐怖症へとなってしまいました。

そのレベルは完全に常軌を逸し、

  • 食事が喉を通らない
  • 巻いてあるパイプに恐怖する
  • 自分の髪やつむじを怖がって頭を丸める
  • 手足の指紋をすべて切るとる(これが一番ヤバイ)

渦を巻いたものを目にするだけで悲鳴を上げるほどの怖がりようでした。
また、これら上記の行動に加え、「人体には見えない部分にうずまきがあるのではないか」と医師に詰め寄ることも。

やがて彼女の夢には亡くなった秀一父が現れるようになり、「まだうずまきがある。お前の耳の中に」と囁きます。

伊藤潤二『うずまき』

人間の耳の奥には、音を感じる器官である「蝸牛」が存在します。文字通りカタツムリのような形をした器官です。
秀一の母は蝸牛を取り出すために自身の耳から鋏を差し込み、その結果、亡くなってしまいます。

『身体への影響/変異』(3~13話)

簡単な概要

桐絵の同級生・黒谷あざみに始まる、ヒトマイマイや鬼化など、「うずまき」によって肉体への影響が起こり始めるフェーズです。フェーズ1は精神的な影響であるため、目には見えない「うずまき」への恐怖が描かれていましたが、このフェーズでは肉体に影響が出ることにより、次第に目に見える気持ち悪さへとシフトしていきます。

グロテスクな描写や、生理的嫌悪を催すような描写(イラスト)が最も多いです。
掲載される画像もグロテスクなものが多いため、苦手な方はお気を付けください。

主な怪奇現象

黒谷あざみの傷跡
伊藤潤二『うずまき』

黒谷あざみは桐絵のクラスメイトです。とにかくモテる女子生徒で、高校の男子生徒からの告白は勿論のこと、路上ナンパも当たり前。そんな状態ですから、あざみはすり寄ってくる男たちをあしらうことにも慣れているほどでした。

桐絵は両親を失くして引きこもり状態となってしまった秀一を心配して会いに行こうとしますが、あるとき、そこに黒谷あざみも付いてくることになりました。そして彼女を見た瞬間、秀一は彼女を烈しく突き放します。

伊藤潤二『うずまき』

話を聞けば、あざみからは「うずまき」を感じるのだとか。

逆にあざみの方は、これまで男性から突き放されたことがなかったためか、秀一にぞっこんになってしまいます。

それ以降、あざみは熱烈な好意を秀一に向けるようになり、ストーカーのように付きまといます。頭に出来ていた三日月の痣は次第に「うずまき模様」となり、大きくなったうずまき模様は、彼女の額を抉るまでになっていました。

伊藤潤二『うずまき』

やがて大きくなりすぎたあざみのうずまき模様は、最後にはあざみ自身をも吸い込んでしまうようになり…。

伊藤潤二『うずまき』

そうはならないのでは?

人の身体が渦を巻く

黒渦町では川の水、空模様、焼却炉の煙と、少しずつ渦を巻いたものが散見されることが多くなっていきます。黒谷あざみに続いて起こった人体への影響が、身体が捻じれるということでした。

伊藤潤二『うずまき』

顔が怖すぎる。

最終的に捻じれに捻じれた男女は、交尾中の蛇のように絡み合って二度と離れないようになってしまいます。

伊藤潤二『うずまき』
髪の毛

うずまきの影響は、なんと髪の毛にも起こりました。

長くなってきた桐絵の髪が次第に渦を巻くようになり、超絶可愛いカールの桐絵となったのです。

伊藤潤二『うずまき』

うずまきもいい仕事をする。

しかし、うずまきの本当の恐怖はここからでした。

渦を巻いた髪の毛は桐絵の意識から離れて自立行動を行うようになり、切られそうになれば鋏を持った者を攻撃するなどの自我を持つようになったのです。

髪の毛は桐絵の意思とは反対に目立つことを目的としており、奇抜な姿と蠱惑的な「うず」で周囲の人々を魅了していきます。

伊藤潤二『うずまき』

めちゃくちゃ頭が重そう…。

しかし話はこれで終ることはありませんでした。自己顕示欲求の烈しいうずまき髪の毛が出逢ったのは、これまた自己顕示欲求の烈しいうずまき髪の毛。

そして始まるのは――髪の毛同士の異能バトル!

伊藤潤二『うずまき』

読んでいるこちらも「うずまきとは、一体何なんだ…!」と息を飲む怒涛の展開です。

ちなみにこの出来事をキッカケに桐絵は髪を切ってしまう為、以降はショートヘアとなります。

死体が動き出す

うずまきと何の関係があるのか、冷静になると全く分からないのですが、死体が動きます。

桐絵のクラスメイトの1人が交通事故で亡くなってしまうのですが、彼が蘇って桐絵を襲います。うずまき要素は、亡くなったクラスメイトがびっくり箱を好んでいたこと(びっくり箱のバネが渦を巻いていました)と、死体の腹部から生えているバネのみ。

伊藤潤二『うずまき』

他のキャラクターは蘇らないのに、どうしてこのキャラクターだけ蘇ったのかは不明です。びっくり箱の加護があるのでしょうか?

ヒトマイマイ

人間がカタツムリに変貌します。

最初はうずまき模様が背中に現れるのですが、次第に背のうずまきはカタツムリの甲羅のようになり、身体からは粘液が分泌され、いつしかカタツムリに変貌します。

完全に変貌してしまうと人間大のカタツムリとなるのですが、このカタツムリから分泌されている粘液か何かに触れる(?)など、何かしらの条件を満たすと、その人物もヒトマイマイへと変貌してしまいます。
条件の詳細は一切不明。

本編で判明しているのは

  • ヒトマイマイと関わっていないのに、突如ヒトマイマイに変化する
  • ヒトマイマイになりかけた生徒を虐めていた生徒がヒトマイマイになった
  • ヒトマイマイが産んだ卵を踏み砕いた教師がヒトマイマイになった
  • ヒトマイマイを食べると美味しい(らしい)
  • ヒトマイマイを食べても(焼いても生でも)ヒトマイマイになるとは限らない

この5つの条件くらいでしょうか。

人からヒトマイマイへの変遷の様は、大変グロテスクです。

伊藤潤二『うずまき』
吸血妊婦

うずまき状に飛ぶ奇妙な蚊に大量に刺された妊婦が、栄養を求めて吸血鬼のように人の血を吸うというもの。とはいえ吸血鬼とは違って彼女たちは鋭い牙がありません。その代わりに螺旋状の錐のような手動ドリルで人体に穴を開け、そこから血液を吸い取ります。

しかも犯行が複数人によって行われるため、ゾンビ映画のようなおぞましい姿となっています。

伊藤潤二『うずまき』

吸血妊婦が出産をすると、当然、赤ん坊が生まれてくるわけですが、この赤ん坊にはこれから生きる意思はなく、むしろ子宮へと戻ろうという意思があります。彼らのへその緒は切っても再び伸び、やがて胎盤までもを形成してしまうほどでした。

伊藤潤二『うずまき』

そのため再び赤ん坊を妊婦であった女性たちの子宮へと戻すのですが、赤ん坊が子宮へ戻ることで再び妊婦たちは栄養確保のために他人の血液を必要とします。

こうなると完全に化け物へと変貌するようで、舌がサボテンのように棘だらけになり、この舌を人間に突き刺すことで蚊のように吸血することが可能となります。

伊藤潤二『うずまき』
うおの目

黒渦町には昔から古い長屋の廃墟が点在しています。このうおの目は、その長屋に住み続けると発生する怪異です。

ご存じの通り、うおの目といえば、主に足などにできる、皮膚が硬くなるあれです。

この長屋に住み続けるとうおの目が身体の至る箇所に発生するようになり、放置していると鬼の角のように鋭く体外へ向けて伸びていくようになります。

最終的に全身にうおの目ができ、全身角だらけの化け物のような様相へと変身してしまいます。

伊藤潤二『うずまき』

『環境への影響』(2話、4話、12話~19話(最終話))

簡単な概要

心と精神の次に、うずまきは環境へ影響を与えるようになります。

台風・竜巻といった渦巻模様の災害がその最たる例ですね。

これだけ聞くと非常に恐ろしいことのように感じますが、実はこの項目はギャグパートのような雰囲気が一部あります。伊藤潤二さんは長期連載になるとホラーに飽きるのか、たまにギャグなのかホラーなのかわからない描写を挟むことがあると個人的に感じているのですが、このフェーズ3ではそれが顕著に現れているかと思います。

フェーズ1と2の恐怖+ギャグ(?)という、作中最もカオスなフェーズです。

主な怪奇現象

トンボ池へ吸い込まれるうずまき

黒渦町では、秀一の父が死亡し、火葬。その際に立ち上った黒い煙が渦を巻いてからは、誰かが死亡して火葬をするたびに煙が渦を巻くようになりました。またその渦は、町の中心にあるトンボ池という巨大な池に吸い込まれるように落ちていきます。

伊藤潤二『うずまき』
焼き物の形状が変化

黒渦町にはトンボ池という大きな池があります。この池には秀一の両親を火葬した際に発生した渦を巻く煙が吸い込まれるなど、奇妙なことが起こる不思議な池でした。

桐絵の父は陶芸を生業とした職人なのですが、秀一の父から「うずまきの皿を作ってほしい」とお願いされ、煽てられたことがキッカケになったのか、次第にうずまき模様の出る焼き物が「芸術品である」として固執するようになります。この際、焼き物の素材として使用した土が、トンボ池から取れる土でした。

ここで作られる焼き物には、火葬された人々の魂が宿るようです。

伊藤潤二『うずまき』
黒い灯台
伊藤潤二『うずまき』

黒渦町の岬にある黒い灯台が、ある夜から禍々しい螺旋状の光を放つようになりました。

この灯台の光が目に焼き付くと、真っ直ぐ歩くことができなくなり、同じ箇所でくるくると回り続けることになってしまいます。

またこの灯台の壁には無数のうずまき模様が刻まれており、灯台の最上階にある箇所には光を放つレンズが熱で融解し、うずまき模様のようになってしまっていました。

伊藤潤二『うずまき』
台風1号

黒渦町に台風がやってきました。その名も台風1号。

しかしこの台風、ただの台風ではありません。うずまき状の災害が、この漫画で普通の災害なわけがないのです。台風1号は自己意思を持ち、気に入った桐絵を見染め、桐絵を狙っていたのです。

伊藤潤二『うずまき』

ちなみにこの台風に桐絵が見染められた理由は、引きこもりになった彼氏・秀一にお弁当を届けるために外へ出たところ、顔を見られて気に入られたというもの。

秀一くんが羨ましいぜ!

竜巻

黒渦町でちょっとした風を起こすと、それがたちまち渦となり、竜巻となってしまいます。

この竜巻は大きな風を起こせば起こすほど大きくなり、車も満足に走行できません。

吐息を強く吐くだけで人を吹き飛ばすことができるだけの竜巻が発生しますし、走るだけでも足によって起きる風によって竜巻が発生します。

伊藤潤二『うずまき』

ちなみにですが、人によってはこの竜巻の発生を利用して風で攻撃したり、発生した風を乗りこなすことで自由に移動したりすることも可能です。

伊藤潤二『うずまき』

町にあるトンボ池が台風を飲み込んだことから、こういった現象が発生しているとのことですが、まるで異能バトルの世界観ですね。

町の外へ出る方法がなくなる
伊藤潤二『うずまき』

台風を飲み込んでからの黒渦町は、外から入ることはできても、町から出ることができなくなってしまいます。
自動車やヘリコプターなどで脱出しようとすれば竜巻の発生で移動がままならなくなりますし、徒歩で移動しようとしても、既存の道は歪んで脱出への道を探すのが困難になってしまいます。

謎の遺跡

黒渦町のトンボ池の奥底には、人口の階段が存在していました。
その階段を降りた遥か奥底に存在していたのが、うずまき状の古代遺跡でした。

遺跡は一定の周期で地上の人々を誘惑しており、これまでも人々を誘惑していたようでした。
そして、今回の「うずまき」事件を引き起こしたすべての元凶であったのです。

伊藤潤二『うずまき』

うずまきの魅力 まとめ

・圧倒的な画力

これは伊藤潤二さんの作品全部に通じることですが、まず圧倒的に画力が高いです。

可愛らしいヒロインや、個性的なキャラクターたちはもちろん、グロテスクなイラストや不気味ながらも美しさを感じる風景など、独特の世界観を見事に表現しています。

・うずまきを中心とした個性的なドラマ

うずまきというのは不思議なもので、確かに目が引き寄せられるものです。このうずまきには何か不思議な力があるのではないかという着眼点は非常に面白いと感じました。うずまきという題材ひとつでここまでの話を作り上げたことも凄いことだと思います。

また人間模様についても、どのキャラクターにしても「こういう人間いそうだな」なんて思えるほど丁寧に描かれており、その関係も上手く描いています。

・ホラーの中に潜むギャグ

伊藤潤二さんは「ホラーとギャグは紙一重」と発言しているのですが、この「うずまき」はまさにその言葉通りの作品となっていました。とてもシリアスな場面なのに、時折クスっと来るような描写も入れ込んでいるため、癖になってしまいます。これは伊藤潤二作品全般に言えることではありますが、本作でもその魅力は健在でした。

以上、伊藤潤二さんの描く「うずまき」の怪異と、その魅力についてでした。
もし興味が湧いた方は、ぜひとも本作を読んでみてください!

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