週刊少年ジャンプ感想 2021年52号

ドロンドロロン

第1話 侍とモノノケ
週刊少年ジャンプ2021年52号

「ゴーレム・ハーツ」の作者・大須賀玄さんの新連載がとうとう始まりました。

それにしても、あやかしトライアングル、あやしもん、呪術廻戦と妖怪・怪異系統の漫画が連載している中で、更に妖怪要素が強めの作品が連載されることになるとは思いませんでした。

妖怪というジャンルが人気なのか、作者が妖怪というジャンルでものを描きたいのか、それとも編集部が妖怪というジャンルを推して行きたいのか…。
いずれにしても、既に似たような枠が複数ある中で新たに連載するとなると、相当厳しいことになるんじゃないかと思います。

肝心の内容ですが、「モノノケ」という名の妖怪らしき姿を象った生物?らしきものが現れる現代で、侍と呼ばれる専門組織の隊士がそれらを討伐するという世界観。
ワールドトリガーと鬼滅の刃が合体したような内容ですね。

主人公・佐々木ドラは王道らしい正義感の強いアツい男で、力は人間を辞めてそうな強さを秘め、侍を目指しています。
しかし、妖力という謎のエネルギーがないと侍にはなれないとのこと。
人間を辞めてそうな力からあやしもん、妖力というエネルギーから呪術廻戦を彷彿とさせます。

その後、なんやかんやでいいモノノケであるクサナギと出逢ったドラは、刀の形となったクサナギを武器として使用することでモノノケと戦う…。
これもどこかで見たことがあるような展開で、全体を通してイマイチ真新しさというのは感じられなかった、というのが正直なところです。

とはいえ、ゴーレム・ハーツは正直一話から面白いと感じず流し読みだったという記憶が薄っすらと残っていますが、このドロンドロロンに関しては主人公の心理描写が丁寧かつ共感しやすく描かれており、読みやすく入りやすい漫画になっていました。

今後もこのように心理描写を分かりやすくすると、王道といえる主人公が生きて、他作品と上手く差別化できるかもしれませんね。
(そうなるとヒーロー色が強くなって、今度は僕のヒーローアカデミアと被ってしまいそうではありますが…。)

ところで、本作における『悪いやつ』とは、一体何なのでしょうか。

主人公と手を組むことになるモノノケ、クサナギは、「モノノケでも人間でも悪いやつは許せない」と発言します。
この「悪いやつ」というのは、何を指しているのでしょうか。

人間の子供を食べること?(人間に感情を寄せている?)
それとも、従えている子分が攫ってきた人間を食べていること?
(本来子分の餌である子供を横取りすることに怒っている?)

しかしモノノケにとって、おそらく人間は食料。クサナギは人間を食べないがお腹は減るという描写から、他のものを食べることで存在を保っているようです。しかし、他のモノノケはどうなのでしょうか。
人間を食べなければ生きていけないのでしょうか。それとも、人間は趣向品で、別に食べなくても生きていけるのでしょうか。

後者だと、今度は約束のネバーランドで見たことがあるなぁ、という要素ですね。
僕としても本作を他の漫画と比較したいわけではないのですが、やはりどうしても「どこかで見たことがあるな」という印象を拭いきれないのが惜しいところです。

また、人間は動物を家畜として屠殺するなどして食べて生きているわけですが、クサナギの判断基準からすれば「人間を食べるのはダメ」で「動物を食べるのはいい」のでしょうか。

もし人間はダメで動物はOKとなったら、結構なサイコ野郎になってしまうと思うのです。

本作におけるクサナギの思考回路を人間で例えるなら、
「自分が大好きな犬を僕は食べていない。だけど食べている人間は悪。殺していい」
みたいな論理になるわけです。

こいつはヤベー。
とはいえ、動物を食べちゃダメだとなると、今度はクサナギは人類の敵となるわけですし…。

しかもその上でクサナギは「誰も傷つかない優しい世界にしたい」と言っているわけです。
あの天狗のようなモノノケは、クサナギの言う『優しい世界』の『誰か』じゃない…?

鬼気迫る状況であったとはいえ、同族を殺しても何の感慨もなく、「どら焼き美味しい!」と目を輝かせているクサナギ。どんなモノノケよりもモノノケらしいのでは?

こういった疑問が浮かんでしまう為、クサナギにとっての「悪い事」の線引きというのは、今後、読者が物語に入っていく中で、極めて重要な点になるかと思います。

本作では主人公の佐々木ドラの心理描写、動機が納得できるもので、また共感を得やすいキャラクターとして描くことができていると思います。それもあって、クサナギの心情や動機についても期待していきたいところですね。

僕のヒーローアカデミア

No.335 有精卵

今回はスターと死柄木の戦いが終ったあとの作戦会議。

スターによって与えたダメ―ジによってヴィランサイドに隙が埋まれ、その隙を突いてヒーロー側が攻勢に出よう、という回です。

しかしプロヒーローですらヒーローを引退する中(デステゴロ、ヨロイムシャなど)で、ヒーローの卵であるA組メンバーは1人も欠けていないという事実。みんなメンタル強すぎるな。

そんな彼らと攻勢に出るための作戦会議でオールマイトはそれぞれ、障害となりそうなヴィランの名前を上げていきます。

死柄木、AFO、荼毘、トガヒミコ、ニア・ハイエンド、解放戦線の残党…。

そして牢獄より解き放たれたダツゴクたち。

あの…スピナーくんは…?

また、作戦会議の中では出久・爆轟を中心として、それぞれA組メンバーが登場するわけですが、その中には青山と葉隠の姿がありませんでした。

最後のコマにおける「AFOの協力者」から内通者は間違いなく葉隠であると思うのですが、どうして青山が登場しなかったのでしょうか。

青山は以前、出久を見張るような行動をしていた回がありました。

僕のヒーローアカデミア(18)

また、ヒーローインターンでは葦戸・葉隠と共にヨロイムシャの所へインターンへ言っていました。
青山は既に葉隠が内通者であると勘づいているのかもしれませんね。

ぶっちゃけ先日の戦いで日本社会が崩壊して内通者のことはうやむやになるかと思っていたのですが、内通者の正体明かしをここで行うのですね。

週刊少年ジャンプ2021年52号

これは完全に葉隠でしょう。

守れ!しゅごまる

第2話 草むしりで守れ!しゅごまる
週刊少年ジャンプ2021年52号

今回もまた細かい部分が気になる回ですね。

新入生の伝統行事だからといって、最長で一か月草むしりをさせるだけの教師が登場。

彼は一体なんのためにこの学校にいるのでしょうか。

さなぎはそもそも、お金持ちのパパの一人娘という設定です。こんなパワハラ教師がいたら、普通に権力者にボコボコにされると思うのです。

しかもさなぎが入学したのがお金持ちの学校かと思いきや、教師や生徒の反応を見る限りそんなことはなく…。セキュリティがちゃんとした学校に入学させたからこそ、一流の暗殺者を警戒するものではないのか?

こんなガバガバな管理体制にいる一人娘をマジで殺そうとするなら、人間爆弾でも特攻させてクラスメイトごと皆殺しにすれば済む話です。そうなれば、それこそしゅごまるの守護も抜けてさなぎを攻撃出来ると思うので。

なんだかいろいろガバガバな部分が気になってしまって、いまいち入り込めないのが正直なところです。

また、パワハラ教師もスピーカーを斬られたくらいでしゅごまるにビビってますが、脅迫されているのは彼の方になるので法的には勝てそうなんですよね。しゅごまるの脅しにビビるレベルのメンタルの教師なら、最初からパワハラ(しかも最長一か月の草むしり指導)なんてしないと思うのです。

加えて、いくらムカつくパワハラ教師が相手だったとしても、人間相手に謎の刃物(明らかに銃刀法違反)を取り出して振り回してスピーカー切断するようなサイコ野郎に近づく人間は普通にいないと思うんです。これで馴染めるクラスは暗殺教室くらいではないでしょうか。

アヤシモン

第3話 『食べたいトコしか食べない主義でね』

アヤシモンは三話目で歌舞伎町入り。どうやら歌舞伎町はアヤシモンにとって食料区。人間を喰っても文句を言われない貴重なエリアのようですね。

第一話のうわんとウララの会話を思うに、歌舞伎町以外にも食料区はいくつか存在しているようですが、他は一体どこが食料区なのでしょうか。アメリカ村とか?

それにしても、少年ジャンプで「性犯罪や違法風俗」という単語が出てきたことには驚きでした。チェンソーマンの残酷描写もかなり攻めたものになっていましたが、このアヤシモンもわりと攻めた内容になっていますね。細かい部分ですが。
保護者から不要なクレームなどが付けられないことを願うばかりです。

そんな食料区である歌舞伎町にやってきたマルオとウララは、飲食店にてアヤシモン同士の喧嘩に首を突っ込むことになります。

ウララの目的は「弱いやつから事務所をかっぱらう」だったのですが、マルオは気にせず強い方と戦って、その代わりに事務所を貰おうとします。

ウララは必死でマルオを止めようとします。「絶対倒しちゃ駄目だよ!」

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だけどこれが完全にフリでしたね。
マルオが拳をふるったら、アヤシモンは粉々に粉砕されてしまいました。

週刊少年ジャンプ2021年52号

悔しいけどこの流れは笑いましたね。

相手のアヤシモンは妖怪・猪熊入道。平安時代に大暴れをした妖怪・酒呑童子の配下であった妖怪だそうです。また、猪熊入道は『妖術』として、特殊な技を使用していました。

これはおそらく、今後アヤシモン同士の戦いで使用される必殺技に当たるものでしょう。

こういったものを披露しつつ、テンポよく話を進めていましたね。

一話もなかなか面白かったですが、段々と面白くなっていると感じているので、次の回も楽しみです。

PPPPPP

今週はレイジロウが閉じ込められて、それをラッキーが助ける。
そしてレイジロウが見たかったという景色を、演奏によって見せる…という回でした。

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これまでわりとテンポよく来ていましたが、流石にテンポが落ちてきていますね。

思い出したように出てきた正志。いきなり警察に連行されとるやん…。

ココレのキャラクターも、とりあえず出してみたものの、イマイチ扱え切れていないという印象を受けてしまいました。いないならいないで違和感があるキャラクターなので、必要であったとは思うのですが…。

ここから先、どう話を展開していくかに期待ですね。

アンデットアンラック

No,089 三本目

スプリングの最終フェーズ、なかなかかっこいいですね。

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また、総てを桜に変えるという能力もオシャレでかっこいい。

というわけで今回からスプリング戦がいよいよ佳境、三本勝負の最後の戦いとなります。

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最後の戦いらしく、否定者も大集合。でもってアンディお得意の勝負となるわけですから、これは燃えますね。

作者はいろんなキャラクターの活かし方が非常に上手いので、全員集合した以上は、それぞれ因縁や関係性があるキャラクターとのやり取りと、活躍の見せ場があるはずです。ユニオンとアンダーが共通の敵を前にして一堂に介するという展開も宗篤ですね。

来週が楽しみです。

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