週刊少年ジャンプ 2021年44号(10/4発売)
感想まとめです。
夜桜さんちの大作戦
作戦100.父と子と
今回の巻頭カラーは夜桜さんちの大作戦。
夜桜さんちの大作戦は、現状3回の巻頭カラーを飾っています。
1,初連載となった作戦1
2,作戦83『皮下VS夜桜兄妹』
3,そして、めでたく連載100回を迎えた今回です
最近まで太陽は銀級以上でなければ面談が叶わない皮下真と話すため、銀級のスパイランクを手に入れるために奮戦していました。VSタンポポに続いてランク取得回、そして今回はタイトルにある通り、夜桜家の父である百が登場。
太陽は『万花繚乱』という新たな力を手に入れたこともあり、今後の新たな展開を期待させるような、第100回に相応しい回となりました。
太陽が手に入れた万花繚乱は、これまで太陽が使用していた『開花』よりも旧く巨きい覚醒(皮下曰く)ですが、夜桜つぼみの血に侵食されるため、諸刃の剣ともなりえる力です。
この会話の中で皮下は「俺とお前の他につぼみの血を与えられた」と発言していることから、今後登場するキャラクターには万花繚乱を使用できる者が登場するかもしれないですね。
また皮下の口から明かされた、つぼみの血、あるいはつぼみ本人と関連する「奴」は、百のことなのでしょうか。
それとも――?
夜桜さんちの大作戦といえば、やはりギャグが中心である印象がありますが、個人的にはこういったシリアス回が好みなので、今後の展開が楽しみですね。
また、万花繚乱は簡単に言うと「デメリットがあるけどめっちゃ強いバフ」です。こういうデメリットがある系の能力は僕の大好物なので、今後太陽くんには万花繚乱を使わざるを得ない状況にどんどん陥ってもらいたいところです。
ただ、こういった能力は連載の長期化と共にパワーインフレが進み、デメリットがなくなったりすることが多々あります。個人的にはそうはならないで欲しい願うばかり。
あとやっぱり、全員集合絵はテンション上がりますよね。
僕のヒーローアカデミア
No.328 つながるつながる
今回のヒロアカは溜め回でしたね。といってもヒロアカはだいたいが溜め回で、盛り上がる回も複数週に渡って展開されることが多いため、週間連載としての爆発力はイマイチ欠ける印象があります(とはいえ、毎週めちゃくちゃ楽しみにしています)。
特に今回は主人公である出久の登場もなかったため、続きが気になるところです。
今回の内容を超簡単に要約すると、オールマイトが特殊拘置所であるタルタロスに関連したなにかしらの情報を入手した経緯と、日本未曽有の危機に世界中が何かしらの対応を行おうとしているという内容でした。
これまでヒロアカという作品では、どれほどの危機が起ころうとも、『世界の物語』というよりは、常に『世界の中の日本という国と、そこで生きるヒーローたちの物語』でした。
しかし今年、劇場作品3作目『ワールド・ヒーローズ・ミッション』にて、世界という舞台が明確に登場しましたね。
これまでは劇場作品1作目『二人の英雄』にてアメリカを舞台に活躍していましたが、作中に登場したのはオールマイトら日本のヒーローと、出久ら雄英高校の生徒だけだったかと思います。ゲストキャラクターたちはヒーローというよりサポート開発組でしたので、ヒーローは日本だけの存在なのか? と感じていました。
ところがワールド・ヒーローズ・ミッションでは、
オセオンでエンデヴァーらと活躍したクレア・ボヤンス
シンガポールで活躍するビッグ・レッド・ドット
エジプトを守護するサラーム
などなど、『ワールド』のタイトルに恥じぬよう、各国でも多くのヒーローが活動していることが示唆されることになりました。
309話では映画『二人の英雄』に関連すると思われるサポートアイテム『ミッドガントレット』が登場して僕としてはテンションが上がったわけですが
今回登場したのはなんと、『ワールド・ヒーローズ・ミッション』のサラームとビッグ・レッド・ドットでした!
特にサラームは印象が強い(下手したらラスボスより印象に残るほど)キャラクターですので、見間違えるわけもありません。
そんな彼らが登場したことからいよいよ世界規模の物語になるのか!と期待に胸が最大限膨らんだところへ、アメリカNo,1ヒーローが満を持しての登場!
これはアガります。
しかもオールマイトの弟子らしく、その画風もさながらオールマイト。しかも見た目がめちゃくちゃアメリカっぽく、ホームランダー(ザ・ボーイズ)や、昔のキャプテン・アメリカ(MCU)や、のような服装をしています。
端的に言ってダサい!とはいえ、非常にアメコミらしさを感じる秀逸なデザインですね。
MCUにおけるキャプテン・マーベルのように、「こいつがいたらなんとかなるって!」みたいな最強格のキャラクターになるのでしょうか?
こちらも今後の展開が楽しみですね。早く来週のジャンプを読ませてほしい。
追伸:タルタロス脱獄にてステイン、血狂いマスキュラー、オーバーホール(治崎廻)などが登場したことで、過去戦ったヴィランの再登場と共闘も示唆されていますね。ステインは是非ともヒーローと共闘してほしい所存です。
ところで、ジェントル・クリミナルとラブラバの登場はまだ?
呪術廻戦
第161話 東京第1結界①
死滅回遊編が始まり、乙骨や秤など高専東京メンバーが着々と仲間になって、今回、いよいよ伏黒と共に虎杖は死滅回遊の結界に侵入。これによって会敵し、物語が進んでいくという内容。
これまでも死滅回遊編は「HUNTER×HUNTER」のグリードアイランド編のルールに似ているな、と感じる部分が多々あったのですが、今回のものも一段とグリードアイランドを彷彿とさせる展開でしたね。
死滅回遊に参加すると、参加した瞬間に9つのいずれかの地点に転送されることとなります。そこには当然、弱い者を相手にポイントを稼ぎたい者たち…つまり、初心者狩りが存在します。死滅回遊のルール上、当然いて当たり前の初心者狩りたちですが…「いやこれHUNTERで見たことあるわ!」と思わず叫んでしまいました。
どうにもHUNTER×HUNTER感が抜けない死滅回遊編。ですが、渋谷事変編があれだけ面白かったので、物語が出揃ってから読み直せば、より呪術廻戦らしさを色濃くした物語を楽しめるのではないでしょうか。
来週も楽しみに…と言いたいところですが、残念ながら来週は休載です。
芥見先生は劇場版の方で忙しいのでしょうか?
そちらも楽しみですね!
PPPPPP
第3話 ダダモンバトル
先月連載が始まったばかりのPPPPPP。正直僕は、音楽にさほど興味がありません。ましてクラシックなどは、少々こじらせていた時期に「チャイコフスキーいいっすね」などと言いながらPポップだのKポップだのアニソンだのばかりを聞いている人たちに「ちょっと優越感を抱ける気がするマウント」をとるために聞いていただけです。
そういう自分もアニソンとか特撮ソングとかそういうのばっかり聞いていたんですが…。
そんなわけでPPPPPPが始まった際にも「そっかぁ、音楽かぁ」くらいの気持ちでいたのですが、これがなかなかどうして面白い作品でした。
好きだけど『得意』じゃない。凡人による天才を超えるための努力の物語は、日本人ウケが非常にいいと思います。かくいう僕も大好きです。
主人公の家庭環境には少々ハリー・ポッター感(嫌な叔母と従兄弟がいるし)を感じましたが、二話以降ではそのようなことも感じず、純粋に話を楽しむことができました。
もうDADAさんみたく、ピアノの横に立ってガン見ですよ。
さて、今回の第三話ですが、DADAの門下の座をかけて、主人公園田とヒロインフルスが演奏勝負をするという話。
ピアノの演奏描写を漫画で描写するのは非常に難しいと思いますが、園田とフルスの演奏描写を画一化せず、別々の演奏描写が描かれているところには、それぞれのキャラクターにはそれぞれの演奏方法があるのだということを上手く表現されていて素晴らしいですね。
主人公の演奏描写は効果音を下手に、そしてガタガタした文字配列にすることで整っていない演奏を彷彿とさせましたし、フルスさんの演奏ではリズムよく、的確に演奏しているのだろうということが伝わってきました。他のキャラクターの演奏はどのように表現するのか?そこも気になるところです。
また物語において主人公は「上手く演奏できない」「上手く演奏できるのだろうか?」と悩む場面がいくらか見られます。現に三話でも、フルスよりも上手く引けないとDADAの門下になることができない、と悩んでいますよね。
しかしそんな彼に対して、DADAは
「①曲の本質を思い
②誰かを
③どこかへ連れて行こうとした」
この条件を満たせたからお前の演奏には奇跡が起きたのだ、と語ります。
ここで大切なのは、音楽で上手い下手を争うのではなく、芸術として感動するのはどちらなのか、ということをDADAが教えようとしている(作者なりの主張である?)ところだと思いました。
たしかに世の中には凄い人、上手い人がいくらでもいるわけですが、「じゃあその人が誰にとっても一番なのか?」と言われると、そんなことはないですよね。
人にそれぞれ個性があるように、好きな漫画やドラマ、アーティストもそれぞれ異なります。
全員の一番にはなれなくとも、誰かの一番に…。
この漫画からは、そんな祈りのようなものを感じました。
話は戻りますが、DADAの言葉を受けた園田は、自身の演奏で再び奇跡を起こすことに成功。今度はフルスさんが園田の演奏から、母のぬくもりを感じとり、下手な園田を認めることになりました。
また門下についても、DADAはもとからフルスは門下に入れる予定で、園田はキラキラ星以外の演奏曲で奇跡を起こせるなら門下にする(?)、という話でした。
晴れて二人でDADAの門下となり、来週の展開を期待させるような引きを行って終わりです。
1話、2話と比較して若干絵が崩れているように感じた3話でしたが、その内容は1話、2話にも劣らない、引き込まれる内容でした。まだ3話であるからか、掲載順は決して上の方ではありませんが、ぜひとも続いて欲しい作品です!
アンケートを入れて、応援させていただきますね。
アンデットアンラック
No.081 一対一
この漫画が凄い!などにも選ばれ、少しずつ知名度を上げてきている本作。個人的にはVSジーナが最高すぎて、未だにジーナ離れができていない現状です。
とはいえ面白いことには変わりありません。
組織に入団して、裏切者が存在して、そして現在、四季を象ったユーマと戦って…。
少し前のサマー編は実に熱い戦いでしたね。
今回はいよいよ、ユーマ・スプリングとの戦いが始まろうとしていました。
センターカラーもスプリングVSアンディと、和装の風子というイラストだったため、いよいよ風子の戦い(これまではアンディと組んで戦う展開ばかりだったので)が見られるのかな、と思いきや…。
バチバチにアンディVSビリーでしたね。
少し拍子抜けした気持ちがありましたが、『不死』を含めて複数の能力を持つビリーとの戦いが熱くないわけがない。
能力だけ見れば完全にアンディの上位互換に当たるビリーと、戦闘の経験値で勝るアンディ。彼らは一体、どのように戦うのか…!とワクワクする気持ちで読んでいたのですが、スプリングの花びらによる身体の桜化、『不停止』による超高速で身体を削りとるなど、ビリーは『不死』の能力を知ったうえでの対策を欠かしません。
アンデットアンラックでは初期の頃から相手の否定能力を考察して戦う頭脳型の戦闘が醍醐味の一つでしたが、今回もそれを存分に発揮してくれました。
アンディのセリフをみるとビリーはアンディを倒すために自身の肉体を犠牲に『不死』の能力を研究・対策を練っていた様子。こういったちょっとした描写でも、入念に準備をしそうなビリーらしさが垣間見えていいですよね。
対策を練ったビリーに対し、アンディも経験を基にした能力の予測でビリーの行動や複数能力を考察しつつ対抗。ビリーの使用できる能力についても考察を行います。
…が、とうとうビリーが隠し持っていた第六の能力で行動を止められてしまいました。
その能力とは、50年前、不死の能力を持つアンディを唯一捉えた能力。
ジーナが所有していた『不変』です。
ここでジーナの『不変』登場は熱すぎる!!
『不動』『不変』によって行動を止められたアンディですが、過去、ジーナとのやりとりにおいて得た経験から、ドえぐい方法で状況を打開するところで今週は終わりです。
引きもセリフも完璧で、次回が大変気になる終わりですね。
アンデットアンラックは四季のユーマ編になって一段と面白くなっていますね!今後の展開にも期待です!
NERU-武芸道行-
第十二般 前へ
こちらもPPPPPP同様、最近始まった連載です。
というか、いつの間にか12話なんですね…まだ6話くらいかと思っていました。
今回の内容は、学内で試合をしたいけど、試合相手がいない。さてどうしよう…。練磨が唸っているところに話しかけてきたのは、1位のサイコパスっぽい三年生。彼と彼の弟子、そして練磨と同部屋の先輩・龍禅とが2対2を行う決心をするまでの話でした。
武芸関連の漫画といえば、『修羅の門』が有名ですよね。僕も好きな作品で、特に異種格闘技編は何度読んでも手に汗を握ります。
このNERUも武芸の漫画であるため、僕はどうしても修羅の門と比較してしまうわけです。そのせいか、今回の回を読んだ印象は、「ちょっとヌルいのでは?」でした。
修羅の門の異種格闘技編では、殺しもアリの大会でした。そのため大会の最後で、主人公は「殺さずには勝てなかった」と、相手を殺害に至ってしまいます。
そのためNERUでは今回、龍禅が「俺は人を殺せる人間だ。不殺なんて器用な真似はできない」との発言には少々首をかしげてしまいました。
じゃあ殺しちゃったら武芸家じゃない…?
しかし調べてみたところ、明治頃になって殺しの技術が精神鍛錬・自己鍛錬のために行うものとして『武道』となったとのことです。
つまり武芸とは、殺人術のことなのでしょうか?
うーんよくわからない。
しかしNERUの武芸学校では、真具(実際の刃物・武具)での試合も行われています。
実際に人殺しの道具を用いておいて、不殺が武芸家として正しいという認識はいささか疑問を覚えました。
その辺りの学校の規則はどうなっているのでしょうか?
殺したら反則負け? それとも死んだら負けという扱い?
新たに登場したサイコ先輩をみたところ、真具の試合を行った場合、とても不殺を貫けるようなキャラクターではなさそうなので(作中でも「1位になった途端、誰も試合をしてくれなくなった」との旨の発言あり)おそらく死んだら負け、殺したら勝ちになるんでしょうが…。
もちろん、モノホンの武器を使って負けたやつは皆死ね!なんていうサイコな学校もお断りではあるのですが、『不殺』主義が大多数であるよりも、『刃物による真剣な仕合を行った上での敗北であれば、死することも致し方ない』と考える生徒が大多数である方が、『真具を使用する武術学校』としてしっくり来るように僕は感じました。
(武芸の言葉の意味次第ではありますが)
とはいえ、この辺りは学校の規則次第ですよね。来週以降の展開で明かされることに期待です。
それにしても、NERUはジャンルこそジャンプっぽくはありませんが、わりとキャラクターや話が面白いと僕個人は感じています。そのわりには掲載順が低いため、少々気になってしまいますね。もう少し人気あってもいい作品ではないでしょうか。
とりあえず僕が言わせて欲しいのは、要ちゃんがめちゃくちゃカワイイことです。カワイイ。
追伸:龍禅の同部屋の人物が試合でやられて入院中とのことですが、真具での試合で死にかけたんでしょうか? こちらも試合のルール同様、気になるところですね。
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