久々にやりました、エロゲ。
そしてついにやりました、Nitro+最新作「みにくいモジカの子」(嘘ではない)。
社会人になってからというもの、パソコンを開いてはyoutubeを開いてだらだら…
なんて機会は多々あれど、エロゲをやるのが久々すぎて、完走できるかどうかという不安を抱えながら走り出した本作。
いや、これは凄いですねいろんな意味で。いや本当に。
いろんな意味で……。
「Phantom」から始まり、「装甲悪鬼村正」くらいまで、挑戦的な作品を次々と打ち出しながらエロゲ業界を盛り上げてきたNitro+。エロゲ市場そのものが縮小しつつある昨今で、その最新作は如何程かとワクワクしながら始めたわけですが…。
いや。ホントによく作ったなこんなの。
以下、感想とおまけ程度の考察です。
あらすじ
絵にも描けないほど醜い容姿の主人公。
実は彼には、人の心を読むことができる「モジカ」という特殊能力があった。しかし、醜い外見によって「モジカ」を使うたびに心を強く抉られる主人公は、
能力の封印を決意して、俯いたまま日々を送ることになる。当然、そんな主人公には友人も恋人もいない。
それどころか、醜い外見が原因の一つとなり、激しい虐めを受けていた。
ある日、主人公は密かに想いを寄せていた女の子から告白をされた。
こんな醜い僕が誰かに好かれるわけがない。
だけど万が一、万が一にも。もし彼女が僕を好きだったのならば。
もし彼女と愛を語る日々を得られるチャンスを逃してしまうくらいなら――。告白した女の子を顔を見る。
能力である「モジカ」を使う。真実が判明した。
彼女の告白は嘘だった。
それは虐めの一環として行われていただけだった。彼女も虐めにあっていた。虐めの一環として、醜い主人公に告白をさせられていたのだ。
醜い。汚い。こっちを見るな。
告白をしてきた女の子の心から漏れ出る本心に、主人公は心底絶望する。
人は醜い。口に出す言葉と本心が矛盾する。
それは真実ではない。――僕は、君の醜さを知っている。
主人公は、自分を追い詰めた者たちに復讐を決意する……。
あらすじだけ見ると凄く面白そうなんですよね。
復讐ものっぽいし。いったいどんな話になるものかと期待に胸が膨らみました。
ところがどっこい。
あらすじをみた人のほとんどは「復讐もの」を期待して本編をスタートすると思いますが、
これ、最後までやると全然復讐ものじゃないんですよ。
というか、ちゃんと「復讐」やってるルートなんて一つしかないんですよ。
僕が思うに、この作品は「主人公が真実の愛を探す」物語です。
たぶんこのゲームに「復讐」を期待している人は、「みゆルートがピーク」と言って軒並み低評価をつけていると思います(偏見)。
まあでもこのゲームは難しいし分かりにくいので、それも致し方なしとは思います。
復讐要素はおまけというか――まあその辺は個別ルートで感想を呟いていきますね。
ではさっそく、個別ルートの感想に行ってみましょう。
双葉みゆ
このルートは端的に言って、一番好きですね。
なので感想もたぶん一番長いです。
僕はロリっぽいヒロインが好きな傾向にあるので、みゆは外見的にもう優勝って感じです。
穏やかそう、無害そうな小動物を装いながら、その心根は醜悪で誰よりも人の不幸を喜んでそうなところも100点。たぶん作中で一番性格悪い。ごめんそれは盛ったかもしれない。
彼女はスクールカーストで言うと下から二番目で、主人公の次に立場が低い人物。
それゆえに「主人公が潰れたら、今度は自分が一番下になる。それだけは絶対に嫌だ」という気持ち一つで、虐められまくる主人公のメンタルケアをたびたび行っていました。
そのメンタルケアのおかげで主人公は「醜い僕にも彼女だけは優しくしてくれる」と感じ、
日々の虐めに耐え抜きながら、彼女を盗撮してその写真でシコりまくっていました。
(主人公の内面もだいぶキモイ)
そんな状況で(虐めの一環とはいえ)嘘の告白をされてしまったものですから、
主人公のタガが外れ、彼女と無理やり関係を持つこととなります。
それをキッカケとして、主人公はモジカの能力を使いながら彼女との間に「ご主人様」と「奴隷」の関係を構築し、二人で自分たちを虐めてきた者たちに復讐を始める――
というのがこのルートのあらすじ。
みゆがどんどん腹黒くなっていくの、ホント最高ですね。
初めこそ無害そうな顔をしていたのに。
主人公がモジカを使って人の弱みを握るたび。
みゆが虐め対策として作っていた人脈ノートを手掛かりにクラスの人間関係を壊すたび。
そして二人が復讐を成し遂げていくたび、スクールカースト最下位から上に上がっていくたびに、どんどん性格が悪くなっていく。
主人公を利用するために肉体関係を持つシーンなんて、エロすぎるよみゆ……。
(なおエロシーンの最中、脳内では「キモイキモイ醜い汚い早く終われ早く早く気持ちいフリして利用できるだけ利用してやるキモイキモイ」等と考えているもよう)
シナリオ中盤では虐めの主犯格であった九鬼綺羅々を凌辱することに成功。
終盤では進学校であるが故に激しいストレスを感じていた生徒たちのガス抜きとして、「ハシラ」という虐め用の人柱(主人公とみゆも「ハシラ」だった)を準備していた生徒会長である許斐鳴子も凌辱。
これで全員に復讐が終わったと思いきや、主人公にはみゆから連絡が。
これまで復讐の準備ができる度に、そう言って主人公を呼び出してきたみゆ。
こんな状況で復讐する相手なんて、一人しかいないでしょお!
ワクワクしながら話を進める僕。
そしてみゆの呼び出しに従う主人公。
彼女の口から零れだした本心は……。
「あのね……わたし、ご主人様に復讐したいの」
ああ…
ああああ…
ああああああああああああ!
最高!!!!最高最高最高最高!!!!!!
そうだよこれだよこういうのでいいんだよ素晴らしい神神神。
これまで主人公は彼女の本音と建前の矛盾に苦しんでいたわけですが、ここでついに、双葉みゆが主人公への悪意を露わにすることによって、主人公は建前なしの本音の真実を浴びることができるわけです。
これをもし一番最初の告白の場面でぶつけられていたら、主人公もメンタルブレイクからの自殺コースもワンチャンありましたが、主人公は既にみゆを凌辱し、主従関係を烙印し、復讐者として堕ちるところまで堕ちる原因を作り出した張本人。
(身から出た錆だけど)罪悪感も相まって、かつての思い人の復讐を受け入れるのです。
このとき主人公は、「正直本心を語ってもらえて嬉しいけど、でも僕はみゆに気持ち良くなってほしい。だから自分は彼女を喜ばせるための道化になろう」と決めます。
みゆが嫌がる反応を喜ぶなら嫌がるし、主人公を嬲るための奥の手があるならその奥の手を引き出させるように努める。
そうしてみゆは主人公を凌辱する。
主人公はこれまで辱めたヒロインたちに横から腹パンされながら、みゆにぺ二バンで肛門を刺しまくられるのです。
奇しくもその姿は、冒頭で主人公に凌辱されるみゆに似ていて。
そして初めてみゆの方から肉体の関係を迫ったときに似ていて。
他のエロシーンとの対比になっている!!!
すごい!!!!
感動した!!!!!
嫌がりながら本心では喜ぶ主人公と、満面の笑みで主人公を嬲るみゆ。
これは一番最初のエロシーンとはまさに真逆の構図で、しかし二人の心が同時に満たされている。凌辱から始まった復讐の物語が、こんなに綺麗に収まるの!?と思って思わずもろ手を叩きました。
すごいな下倉バイオ。すごいよ天才だよお前本当にすごい。
復讐からの復讐からの復讐という、「次は誰に復讐をするんだろう? どんな復讐をするんだろう!?」というワクワク感が収まらないまま、このルートは主人公が復讐されて終焉を迎えます。
EDはセミの鳴き声。
まだまだこのルートでは終わらない、ということを示唆しています。
っし。次のルート行くか。
EX 鳴子
クッソネタバレです。
鳴子ルートやってない人はみないでください。
綺羅々をみゆと二人で凌辱した後、鳴子に呼び出される場面
ハシラ云々のことを、まるでわざとモジカさせるかのように次々と明かしていく鳴子。
何も知らない段階でみゆルートをプレイしていると、
「うおおおおモジカすげえ!すげえよモジカ!!」って気持ちになるんですけど、
これ、鳴子ルートやった後だと
「わざとらしいな~~~~」ってなるから不思議。
でもこのときも笑子として裏から操りまくっていたんだよなあ。
鳴子を凌辱する場面
実は鳴子はすごい嫌がっているようですが、反面、喜んでいるようにも思えます。
(顔と心の声はめっちゃ嫌そうだけど、カンヌキ使われたらわからないのでノーカン)
まず主人公に服を脱がされる場面。普通だったらめちゃくちゃ嫌がるだろうけど、敢えて「気丈に振る舞おう」とすることで、主人公を煽っているようにも見える。
なにより「処女なのに」という発言。
彼女は過去、義父からレ〇プされているため「処女」はあり得ない。それでも処女であるとわざわざ発言する理由とは? このセリフはエロゲとかでよくある「初経験」を強調して男性を興奮させようとする技法に思える。
(あるいは、彼女は「モジカ」して主人公の心を読んだ?
例えば主人公が「この女が処女だったら最高だな」なんて欠片でも考えていた場合、
それを読み取って「処女なのに」と発言し、劣情を煽ったとか)
そう考えると、このときの鳴子って主人公が欲しい言葉をあげまくっているんですよね。
それは奇しくも、みゆルートのラストで道化を演じた主人公のように。
そもそも鳴子はオ〇ニーはしまくっていた上に処女ではないので、性器・肛門で入れられた場所を間違えられたことに気付かないということもあり得ません(主人公も「自慰もしたことないのか?」と指摘している)。
ちなみに処女のみゆも肛門に挿入された際、「場所が違う」と認識できていました。まあこれは指摘されたからというのもあるけれど。
これらを考えると、鳴子は最初から主人公のことを気にかけていたのではないか、という考察ができます。それをバレないようにカンヌキしていたけれど、本心の一部が漏れちゃっている、ということですね。
面白いね。
腹パン
ちなみにぺ二バン突っ込まれてる主人公へ、綺羅々と二人で腹パンしまくっているのは彼女なりの復讐なのかもしれません。
「他の女と結ばれるな死ね!」
「(モジカできるので)内心喜んでんじゃねえよクソ!!」
「お前本当に喜んでんのか?これで満足か?本当は愛されたいんじゃないの???愛してやるからもっと頑張れよカス!!!」
「お前を殺していいのはわたしだけだぞ!!!」
「あとお前『約束』忘れてんじゃねえぞクソが!!!!!!!」
たぶんこの辺の感情だったんじゃないでしょうか。知らんけど。
おいくそ種崎。
お前がモジカしてたら僕はこんな考察しなくて済んだんだぞ。
もっとちゃんとモジカしろ。
四月一日胡頽子
どうがんばっても「つぼみ ぐみ」って読めない。文字数おかしいでしょ。
胡頽子のルートはなんというか、エロいルートでしたねいろんな意味で。
彼女はちょっと変態さんで、秘密のコミュニティでちょっとエッチな配信を行っていました。見られるのが好きなんですね。ぴこぴこ。
その本性を「モジカ」によって見抜かれてしまった彼女は、主人公によって凌辱されるたび、次第に変態性癖を解放させていくことになります。
どうでもいいですが、このルートでは綺羅々の彼氏?である「ビーくん」こと「蜂矢」がたっぷり登場します。
正直別に蜂矢がいなくてもよかったとは思うけど、まあ胡頽子の変態性を開花させるのに都合がよかったので使われたのでしょう。
他のルートではすぐ死んだりロクに出なかったりして可哀想。
なお、このルートの綺羅々は途中退場。ビーくんに捨てられた挙句、彼の仲間たちに犯されまくって、主人公が復讐する暇もないままフェードアウトします。
申し訳ないけどめっちゃ興奮した。
それに伴ってみゆもフェードアウト。推しヒロインだから悲しい…。
さて、胡頽子はめっちゃキモイ顔の主人公に凌辱されても興奮しちゃう変態さんです。
これは逆に言えば、クッソ醜い男でもいきり立った性器があれば興奮できるということで。
つまり相手は主人公に限らず誰でもいいと言うことで。
最終的に彼女は大衆の前で自分の変態性を暴露し、「おち〇ぽ握手会」なるものを開催します。
なんだよ「おち〇ぽ握手会」って。ネーミングセンスやばすぎるよ。
このゲーム、原画担当の方の関係でどことなく「CLOCK UP」っぽい雰囲気をちょこちょこ感じていましたが、この胡頽子ルートでは特にそれを感じました。「ユーフォリア」を思い出すなあ……。
実はNitroの新作じゃなくてCLOCKUPの新作だったりする????
ともあれ、握手会という名の乱交パーティを始めてしまった胡頽子。
サカって寄ってくる男たち相手にめっちゃ興奮してしまいます。
マジで相手は誰でもよかったんですね。まあ主人公に比べたらどんな人間もマシかもしれないけど。
そんな胡頽子の姿を見た主人公は……
こっちはこっちでめちゃくちゃ興奮してました。
嘘偽りがない本心!真実の姿!!
美しい!!綺麗だ!!
僕はこれを見るためにモジカを手に入れたんだ!
これこそが世界の真実なんだ!!最高!!!
みたいなことを言いながら、ビデオカメラ片手に胡頽子の乱交を録画していきます。
こいつもだいぶやばい。
胡頽子ルート、一言で言うと「とにかくエロいの大好きなヒロインがエロいことに喜びまくって変態性を拡張していって、最後は乱交パーティを開催してしまう。主人公はそれに歓喜する」という話。
おいおい。いくらなんでも中身が無さ過ぎるんじゃないか…。
エロシーンはどエロいけどね。
ルートの役割
以下 他ルートのネタバレ含む
中身が無さ過ぎる――と思いきや、花椿ルート以降ではこのルートの評価が一転しましたね。
もともと主人公の能力であるモジカは、コンセイサマという男根の神様から得た能力。
このコンセイサマは相手の気持ちいところを的確に突くために読心術(作中では「他心通」と呼称)を持ち、コンセイサマと触れ合った人間は死ぬか運が良ければ生存できる、生存した場合は読心術を手に入れることができる……という内容ものでした。
このルートでの主人公のモジカの使い方、大本のコンセイサマのモジカの使い方に非常によく似ているんですね。
この胡頽子は「本来のモジカの使い道」の一つを示す役割があるのではないか?と思います。
メタ的な話ではありますが。
九鬼綺羅々
九鬼綺羅々!九鬼綺羅々!!
とうとう次はお前の番だ!!
復讐!
復讐復讐復讐復讐!!!
総ての元凶諸悪の根源お前のせいでみゆがひどい目にあったお前のせいでみゆが告白させられたお前のせいでみゆが種崎に犯されたお前のせいで推しヒロインのみゆがお前のせいでお前のせいでお前のせいで!!
お前が種崎の心を破壊した!
お前がみゆを復讐者に堕とした!
お前がお前がお前がお前がお前が!
因果が回る時が来た。
自業に自得、己が行為に報いを受けろ。
さあ――存分に苦しんでくれ。
そう思って始まった綺羅々ルートは。
クッッッッッッソ キツイ!!!
綺羅々が可哀想で途中から見ていられなくなってしまう。
綺羅々はヤクザの組長の一人娘。そのため父の権威を傘に、媚薬「タマサ」を入手することができた。
このタマサはストレスの多い進学校ではガス抜きとして使われており、綺羅々はそのタマサを売りさばくことでお小遣い稼ぎを行っていた。
それを知った主人公は、綺羅々からタマサを奪って生徒会長である鳴子に告発し、その内容を持って学園や綺羅々に復讐を行う――
――つもりだった。
しかし実は鳴子は綺羅々と通じており、主人公のリークを鳴子が綺羅々にリーク。
結果として主人公は綺羅々とその彼氏?蜂矢に狙われることになってしまう。
殺されかけてお漏らし。面白がった綺羅々に十回殴られ蹴られ。
散々な目にあった主人公は見るも哀れ。
信じていた鳴子にすら裏切られてこの先の復讐はおろか、蜂矢に命を狙われることで日常生活すらままならなくなった矢先に、「笑子」を名乗る人物から連絡を受ける。
その内容は、綺羅々と蜂矢によるエロいハメ撮りのURLだった。
それを軸に再び復讐を決意した主人公は、みゆと共に計画を進める。
そして動画を脅しに綺羅々を放送室に閉じ込め、報復を開始する。
まずは利尿剤でお漏らしを画策!ついでに十回殴る蹴る!
綺麗な綺羅々の顔が歪む姿は愉快痛快、愉悦恍惚!
これまで散々主人公とみゆを虐めてきた綺羅々がボコボコにされる様は実に爽快!もう最高!!
――と思っていたのに、蜂矢の「実は綺羅々とかいう女、全然好きじゃねえんだよな。道具だよ道具」という隠し撮り音声で「蜂矢に愛されている」という綺羅々アイデンティティを破壊。
そこからのレ〇プは、ちょっと……さすがに綺羅々が少し可愛そうになった。
誰もそこまでやれとは言っていない。
ちなみに綺羅々ルートに入るときにはただ凌辱するだけではなく、しっかり妊娠目的で中に出します。13回も。
くっそシリアスでキツイシーンなのに、主人公が「俺って何回出したっけ?」と質問したら「13回」ってしっかり応える綺羅々がなんかカワイイ。
お前ら実は仲良いのか????
滅茶苦茶困惑した。
そんなこんなで壮絶な復讐の末、綺羅々と立場が逆転した主人公。
綺羅々はいよいよ立場がなくなって、今度はカーストの最底辺へと堕ちてしまう。
だけど綺羅々への復讐は成っていない。
綺羅々は蜂矢との愛を信じている。
それを破壊してやりたい。
そう考えた主人公は、あの手この手で綺羅々を凌辱。その愛を否定しようとする。
しかし綺羅々は狂気的なまでの強い意志を以て蜂矢との愛を信仰する。
そんな綺羅々に主人公が見せたのは、
蜂矢の死体を写した写メ。
綺羅々の心が崩壊するも、今度は性行為を行う主人公を蜂矢として認識することで、自分の愛への信仰を守ろうとする。
クソクソクソクソ!違うだろう!
僕は蜂矢じゃない種崎だ!
現実から逃げるな!僕を見ろ!!!!
何度叫んでも綺羅々の信仰には届かない。
やがて主人公は――
蜂矢になった。
蜂矢になって綺羅々への想い、綺羅々への執着を正しいものであると思い込もうとした。
作中、主人公は何度も自分に問うています。
「僕はどうしたい?」
「僕は何をしたい?」
主人公はある程度の復讐が為され、みゆに「次はどうする?」と聞かれるたびに、次の行動について応えることができないままでした。
それはおそらく、主人公の本当の望みは「復讐ではなかった」から。
みゆの望みは「復讐」だったから、主人公は彼女の望みを叶えるために復讐を続けていたけれど。
だから彼はみゆルートでは「復讐」を目的にしていたけれど。
胡頽子ルートでは違う。
綺羅々ルートでは違う。
主人公には主人公の真実の望みがあった。
彼は誰かに愛されたかった。
だから蜂矢になった。
蜂矢になることで、身も心も蜂矢になることで、綺羅々から真実の愛を手に入れようとしたのではないでしょうか。
僕はてっきり、このゲームのあらすじを読んで
「ああこれは復讐の物語なんだな」
と思っていたのですが、どうやら違う。
3人目のルートになってようやく、なんかこれおかしいぞ?と気付けました。
これはおそらく、種崎捨の復讐の物語ではないのです。
種崎捨が真実の愛を求める物語なのです。
そう思うと蜂矢になったことも合点がいきました。
そして身も心も蜂矢になるということは――。
陰茎にピアス穴を開けること。
なんでやねん!!!
って言いたいけど、蜂矢確かに付けてるって言ってたもんね、なりきるにはしょうがないよね。
主人公は蜂矢お得意の千枚通しを片手に、陰茎めがけて以下略。
ああああああああ!!!!
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!!
直前まで媚薬でドエロくなった綺羅々がドエロい感じでドエロかったのに、一気に萎えましたね。
このゲーム、「主人公の一人称視点を徹底=プレイヤーと主人公の同一体験を与える」をコンセプトとしているだけあって、主人公の心理描写は言文一致ならぬ心文一致というか、かなりリアルな心情にこだわって描かれています。
例えばエロシーンで射精直前になると「射精射精射精!!」しか言わなくなります。
ギャグみたいなテキストですが、嘘か真か、男は射精の直前はサボテン並みに知能が低下するというのは有名な話しですし。
男に生まれたならば「サボテンは知らんけど、言いたいことはまあわかる」となると思います。
射精の直前に射精のことしか考えられなくなるのは、わりとリアルだと思うんです。
まあそんな感じで、わりと心情の臨場感がうまく描かれていることは本作の大きな特徴の一つです。
そのせいでピアスの穴あけ描写と痛みの描写の臨場感が凄い。
ああああああああ!!!!
痛そう痛そう痛そう痛そう痛そう痛そう痛い!!!!!
おいバイオ!!バイオお前!!!
お前なんでこんなの書けるんだ!!!!!
やめろやめろやめろ痛そうが過ぎる!!!!!
この場面でナニがヒュンってなったプレイヤーは、プレイヤー人口の数だけいると思う。
ところで、綺羅々を放送室でレイプしている場面で蜂矢の動画を流したの、やっぱり笑子なんでしょうか?
EX 笑子について
このピアス開けの後、町から逃げ出して姿をくらましていた主人公は、とうとう九鬼組に見つかってしまう。
しかし九鬼組からの追手の存在を知らせたのは、あの笑子。
もしかしたら九鬼組の襲撃は、笑子一人の手では御しきれなかったのかも。
本当は主人公のことを助けたかったんだろうけど。
笑子は結局のところ、主人公と同じで心が見えるだけで。ちょっと人より人心掌握の力に長けているだけ。
どうにもできないほどの感情の暴走はあったと思うんです。
心が見えても、綺羅々の心を最後まで思い通りにできなかった主人公のように。
そう考えると、笑子って結構ギリギリの橋を渡って主人公を成長させようとしていたのかもしれません。そうでもしないと勝てない敵が存在していたから。
花椿ルート
このルート、エロシーンがクッソエロいですよね。
花椿のキャラデザ、勝ち。
金髪美少女が勝たんわけがない。
CV木村あやか、勝ち。
あんな甘ったるい声でエッチされて勝てるわけがない。
全然余裕でエッチさせてくれる、勝ち。
そんなん学生の性欲だったら毎日するだろ当たり前だろ最高。
おっぱいもデカい。こんなん花椿しか勝たん。
勝ち勝ち勝ち勝ち。
優勝優勝優勝優勝!!!
でもその一方で、ルート内容はマジでスッカスカ。クソつまらん。
このルートの内容を一言で言うと
「感情のないヒロインに主人公が感情を与えて恋をしてイチャらぶエッチ」
というもの。
あのさ。一つ言わせて。
もうさあ、もうそれコッテコテの使い古されたエロゲのやつじゃん。
なにこれゆずソフト? これゆずソフトやってんの?
Nitro+はこんなコテコテのゆずソフトやりたかったの?
違うよな?
Nitro+と言ったら、「To Heart」みたいなゲーム作ろうとして「hello world」とか学園で仮面ライダーやって「ヴェドゴニア」になったとか、記憶曖昧だけどそんな意味不明な伝説ばかり残しているゲームブランドだろ?
そういうのをやりかったんだろう?
俺はそうだよ。そういうのをやりたかったんだよ。
俺はゆずソフトがやりたいわけじゃない。
もっとNitroした作品がやりたいの。
コッテコテのエロゲを求めるようなやつがわざわざNitroなんてやるわけないだろ。
虐められてきた主人公が復讐するなんてあらすじのエロゲやるわけないだろ。
こんなコテコテエロゲを求めてないんだよ少なくとも今は。
なあそうだろ!Nitro+!!!!
お前、実は
「花椿はカンヌキなので主人公のこと醜いとか思わなかったけど、感情表現の術を手に入れちゃったり感情を手に入れちゃったりしたら、主人公のこと「キッショ」って思って主人公の元から去る」
とか、そういうことやろうとか思ってんだろ?
なあ、頼むからそう言ってくれよNitro!!!
そんなことを想いながら進めたルートでした。花椿。
内容はほとんどどこかで見たことあるやつだったけど、オチだけはNitroしてたね。
これまで一人称視点を徹底していたのに、途中から三人称視点になる違和感もGOOD!
個人的にはぜんぜん面白くなかったこのルートですが、作品としての役割は非常に大きかったです。
コンセイサマなる存在が登場したり、カンヌキなる対モジカの能力が登場したり、主人公たちが住む町の過去が一部明かされたり、花椿がエロ可愛かったり……。
花椿まじでかわいいな。
いやまじで。
EX 笑子「奥の院来い」
花椿ルートで「奥の院へ来なさい」と主人公を呼びつけた笑子。
一歩間違えば主人公はコンセイサマに取り込まれる。
一歩行き過ぎれば主人公は花椿ルートに直行、結局コンセイサマに取り込まれる。
(最後のあれ、そういうことだよね?)
三分の一という賭けにも等しい確率で主人公を呼びつけて自分のルートに入れさせようとした笑子さん、だいぶ余裕ないんじゃないですか?
そんな状況だったから、笑子は完璧な動きができず、ちょこちょこ隙があるのはそういうことではないのではないか?と思わなくもなくなくなくなくない。
許斐鳴子
まさかのお前がトゥルールートなんかい!!!!!!
生徒会室にある風鈴(過去主人公が作ったもの。一番最初のみゆの告白時、顔をあげずにうだうだしていると回想でよぎる)がヒントとしてあったとはいえ、分かりにくすぎるよ~!!
いろいろと思う所はあるルートではあったけど、ぼちぼち真実は明かされました。
ただ主人公一人称視点を徹底しているのが邪魔をして、「おそらくこうだろうなあ…」みたいな程度にしか明かされないのが歯がゆい!!!
とりあえずこの項目では、明かされているっぽい部分や気になった部分を箇条書きで記して行こうと思います。
どうして裏切る前に救ったんだ?
笑子として学園を裏で動かしていた鳴子は、生徒会長として主人公が壊れないように優しく接していた。これは「ハシラ」云々が理由ではなく、逆境による主人公のメンタル強化を行っていく中で、彼が壊れないようにメンタルケアをしていたものだと思われる。
主人公の顔について
結局主人公の顔の醜さって、近親相姦によって生まれたことが原因ってことですか?
なんかそんな感じする。血が原因ってそういうこと?
主人公が自分のことを「穢れた遺伝子」とたびたび称するのもそういうこと?
(鳴子が血が原因じゃないと言ったのは、「同じ血が流れる自分は醜女ではないから」という意味だろうと思われる。→つまり二人は血の繋がった双子)
・鳴子と笑子
鳴子=笑子。これは間違っていない。笑子は許斐鳴子が許斐になる前の――孤児だった頃の名前ということなのでしょう。回想で主人公が鳴子のことをちゃんと「笑子」と呼んでいたので、たぶんそんな感じ。
双子なのでずっと仲がいい。笑子はまだ醜悪の区別がない頃から主人公の顔を見ているので、単純接触効果で鍛えられているのかもしれない。
最後に夜空見上げるやつ、やっぱユーフォリア
話として綺麗にまとまっていた。これまでプラネタリウムで星を見つめていた主人公が鳴子と夜空を見上げるのはなかなかエモい。けど、星空の見える外へ飛び出してしがらみから解放される場面、すごくCLOCKUPの「euphoria」を感じちゃう。
原画が同じこともあって、もしかしてちょっと狙っている?
エロシーンがほとんどない
主人公は他のヒロインとはヤリまくるけど、鳴子ルートにおいて鳴子との性行為はほとんどない(みゆルートで凌辱が一回だけある)。
コンセイサマの妄想の中での一回と、
エピローグ的な場面で1回。
コンセイサマの方は妄想なのでノーカンだし、エピローグの方すら、もはや
「ノルマ:ヒロインと1回はちゃんとエッチする」
みたいなノルマ消化しました感が凄い。
他ルートのものと比較して、圧倒的にエロシーンの必然性がないのです。
正直、最後のエロシーンなくても話は問題なく成立する。
「愛するほど相手を大切にするのでエッチはあんましない=鳴子以外はわりとどうでもよかったのでヤリまくる」という正直な気持ちが主人公の行動に現れているのだと思われる。
カンヌキないと愛せない
片方だけ心が見られている状態だと相手を愛せない。逆もしかり。それは主人公がモジカの能力をばらされた際、周りの人間の反応から示されているし、主人公がカンヌキを持つ花椿や鳴子を恐れたことからも伺えます。
それは鳴子も同じだったのでしょう。
自分だけ相手の心が見えていても気持ち悪い。カンヌキを覚えていない主人公を愛せない。
(あとついでに、一人ではコンセイサマを突破できない。)
だからカンヌキを習得させた。
人の心が読めないことこそが、真実の愛を獲得する条件――的な思想。
これってエヴァンゲリオンにおける「人類補完計画」の逆ですね。
でもまあ、わかる気はします。人には感情の波があって、その中の全部が全部を相手に伝えてしまったら、そりゃあ人間関係上手くいかないことも出てきます。逆に勝手に伝わってしまっても、当然上手くいかないことが出てくるわけで。
本心を隠し、本音を秘匿し、けれど限られた言葉によって意思疎通することこそが人間に許された「愛すること」のカタチ。それがライターである下倉バイオが考える「愛」なのではないでしょうか。
醜いけど美しい
鳴子は「自分は外見はいいが、内面が醜い」と言う。
まあ笑子として裏から操りまくって、主人公を手に入れるためになかなかなことをやってるわけですから。そりゃあもう模範的なものではないし、そのために主人公も散々ひどい目に併せてきているわけなので、とても綺麗なものだとは言えません。
上記の「カンヌキがないと愛せない」説が正しいとすれば、
「自分の好きな男が今のままでは弱い。愛せない。
だから愛せる男になるように強制的にレベルを上げさせる」
というとんでもないエゴの元に笑子として学園を操っているわけですから。
その一方、鳴子は主人公の内面が「美しい」という。
いやー……
しょっぱなみゆを凌辱したり、盗撮したみゆ写メでシコりまくってたやつのどこが美しいんだ?????
ってなるんだよなぁ……。
とはいえこれでは埒が明かないので、プレイヤー視点ではなく鳴子視点でものを考えます。
鳴子は過去、モジカを手に入れた際に「様々な異性から性欲を向けられた」という旨の発言を行っていました。また、義父に実際に襲われたことも。
一方で、主人公は誰とも目を併せなかったので、彼女に欲情はしませんでした。
そのため鳴子は、他の男性とは違って自分に欲情しない主人公に対して、憧れや美しさを感じていたのかもしれないです。
彼女は義父や男性から性的な眼で見られる=性的対象に見られることを嫌悪していた。
その一方で、自分自身も自慰行為に至るなど、性欲に身をゆだねてしまうこともある。
その性欲に溺れる自分や他の男性は「醜い」と認識している。
逆に性欲を自制することができる(あるいは、カンヌキによって悟らせないことができる)主人公のことを「美しい」と認識している――のかもしれません。
これは完全に考察ですし実際どうなのかはライターや制作側にしか分からないことですが、おそらくそうなのではないかな…と思います。
まあ過去にずっと一緒にいたということもあるだろうけど、単純接触効果だけで好きになるなら義父のことを好きになるだろうし、好きになる理由としては正直弱いです。
また、この理由が鳴子の愛の感情に起因するものだとすれば、主人公と鳴子のエロシーンが少ない理由も頷ける気がしないこともない(妊娠はしてるけど)。
うーん。
でもだとすると、エッチを誘うのは絶対に鳴子からじゃないとダメみたいな特殊な条件になってしまう可能性もあるし…この辺はちょっと難しい!!
結局はこんな感じでしょうか。
種崎が性欲を向けてこない男だから好きになった!
その結果、お互いに愛し合うことができるようになった! だから、二人の愛の最後の形としてのエッチはOK!(ってことは自慰はアウト????)
論理としてはガバガバだけど、人間ってそんなもんじゃないでしょうか(もうわからん)
メタ・鳴子による全員攻略
鳴子ルートでは、鳴子が各ルートで主人公がモジカを用いて行ってきた足跡を意図的に経由することで、主人公よりも自分が優れていることを証明して心を折りに来ます。
実際、主人公と違って顔たくさん見れるし、カンヌキ使えるし、マジでマジの上位互換ですよね鳴子。
これは少しメタ的な表現ではありましたが、
- みゆ … 種崎/種崎の奴隷化 鳴子/鳴子の奴隷化
- ぐみ … 種崎/変態解放させる 鳴子/変態解放させる
- 綺羅々… 種崎/蜂矢と結ばれる 鳴子/蜂矢と結ばれる
- 花椿 … 種崎/カンヌキを壊す 鳴子/カンヌキを壊す
――と、主人公が各ヒロインのルートでやってきたことの意趣返しをしています。
そうすることで、プレイヤーが主人公の立場に立ったとき、「(種崎は個別ルートで一人ずつ達成していったのに対し、鳴子は1ルートで全員攻略してしまったので)種崎では鳴子に絶対勝てないじゃん」と思わせることができるので非常に上手いと思いました。
みゆはどっちでも奴隷化してしまうので悲しい。
たぶん鳴子にはハシラとして使われている。
ぐみはどっちでも本性をさらけ出すことができてある意味幸せになっているので、一番幸せな奴ですね。
綺羅々は蜂矢として認識している人間が種崎の時と鳴子の時とで異なりますが、まあ本人が幸せそうなのでどっちでもいいんでしょう。彼女にとって大切なのは「蜂矢として認識している人間に愛されている」という実感なので。
ここで一番注目したいのは、やっぱり花椿NTRでしょう。
やっぱカンヌキを壊されると、花椿も主人公のことをキモイと思うんですね。
これ、純真な気持ちで「花椿だけが救い」と思っていた人の脳みそを本気で破壊しに行ってるじゃん。えげつなさ過ぎる。
花椿、やっぱり相手が誰でもいいんじゃん。カンヌキさえ壊してもらえれば。
ちなみに僕はこのエロシーンが大好きです。
このとき花椿の心の声にあった「コンセイサマより気持ちいい」は、申し訳ないけどめちゃくちゃ笑った。
主人公以上に、コンセイサマが花椿を寝取られてるの草なんだ。
見事なタイトル回収
タイトルの回収の仕方はすごく見事でしたね。
これまでこのタイトルは、「顔が醜く、モジカを用いる少年」というタイトルで主人公のことを指しているものだと思っていたのですが、最後の最後で意味が変わりました。
「『顔が醜くモジカを用いる者』の子供」のようです。
ところでこの「みにくい」に関しては――どこにかかっているんでしょうね。
モジカを使う者――主人公に対してかかっているのか。
それとも、主人公の子供に対してかかっているのか(主人公の子供も醜い。
もしくは、他にも何かしらの意味があるのか。
誰か考察とかあったら教えてください。
全体の感想
以下、個別ではなく作品全体として感じたことやちょっとした考察を書いていきます。
正気か????
まずもって物語の全容がわかりにくい。主人公の一人称視点であるが故に、主人公が知り得た情報しか視聴者も知りえない。
ヒロインの顔忘れる。
主人公がずっと下向いてるから状況がイマイチわからんときがある。
心理描写に緊迫感があるのは良いけど、同じ言葉を繰り返されすぎてもういいとなるときがある。
これを今の時代にフルプライスで出すなんて正気か? と思う反面、これでルートが小分けで販売されたら、みゆがピークで、絶対他のヒロインのルートは買わなかった。
内容も結構攻めてるし、後述するメタ的な要素も感じるし……
いずれにせよNitro+、よくこんなゲームを出すと決断したな??
システム
このシステムは大変挑戦的でありながらも、画期的で面白い!
視線を上げるか否かという誰にでもあり得る行為を選択肢として用いてきたのは驚きました。心が読めるという設定を生かした文字の出かたもいい。
一人称視点、モジカ、醜い設定――全部が上手くハマっていましたね。
流石はNitroと言うほかなく、出来の良さに脱帽しました。
ほんとにすごい。楽しい。
ただ攻略がめっちゃめんどくさい(とはいえ、そこはいつものNitroではある)。
メタ的な話/ルート考察
このみにくいモジカの子における各ルートには、どうもこれまでのエロゲのメタになるようなテーマがあるっぽい感じです。事実かどうかは分かりませんが、思いのほかハマっているように感じたので、紹介しておこうと思います。
みゆ
オタクにシコられるエロゲヒロインの視点、というメタがテーマと推測。
「エロゲヒロインが好きなのは主人公であって、きたねえオタク(プレイヤー)じゃねえから」みたいな雰囲気を感じる。
なので、このルートの真の主人公はおそらく種崎捨ではなく、双葉みゆである。
と言われてもイマイチ納得できない人もいると思うので、ここでみゆルートにおける内容を簡単に順序だててみます。
0/序章 虐めを発端とした、種崎への告白
それに伴って発生する主従関係の構築(復讐へ至るための土台作り)
1/復讐 盗撮を行ったグミへの復讐
2/復讐 自分を虐めていた綺羅々への復讐
3/復讐 自分をハシラとして利用した鳴子への復讐
4/復讐 自分を凌辱した種崎捨への復讐
こうして見てみると、このルートは双葉みゆの復讐から始まり、彼女の復讐で終わっていることがよくわかります。主人公が主人公っぽく見えるのは、たまたまみゆの復讐相手と主人公の復讐相手が(種崎以外)重複していたからです。
種崎捨が復讐という行為に固執していなかったのは、その目的が「復讐」ではなく「愛されること」だったから。
その根拠として、主人公はこのルート以外では「復讐に固執しない」or「途中で興味を失くしてしまう」ということが挙げられます。
最も復讐したかった相手であろう綺羅々にも、ルートの途中で「復讐」から「愛されること(蜂矢になり替わること)」に目的がシフトしていましたから。
胡頽子
画面の向こう側でシコってるオタクへのメタ視点。
「おっほこのヒロインエロすぎぃ!!」
ってなってシコってるオタクへのメタがテーマであると推測。
主人公は最後、淫乱握手会を開催したぐみをみて「うおエロい最高お前めっちゃ輝いてる生きててよかったあ!」ってなるけど、まさしくエロコンテンツ見て喜んでいる男と同じことやってる。
最後には殺されちゃうけどね……。
綺羅々
主人公とヒロインのエッチを見ているエロゲプレイヤーの視点だと推測。
物語終盤、主人公は種崎という人格ではなく「蜂矢」という人格になる。これはエロゲをやってて「自分が主人公であると錯覚しているプレイヤー」のメタだと思われます。
だから綺羅々は最後まで種崎(プレイヤー)を見ない。
そして「ビーくん(愛する人)」への愛を囁き続ける。
主人公視点というこのゲームのコンセプトが効いているルートだと思います。
花椿
普通のエロゲへのメタがテーマだと推測。
下倉バイオから「お前らこういうのが好きなんだもんなあ!?」という悪意を感じたような気がするような気がする。
なんか普通なんだよねこのルート。とにかく普通。
だけどそれがなんとも言い難いつまらなさになっている。
「カンヌキ」「コンセイサマ」等、シナリオの核となるワードが登場するため、
説明の役割がこのルートの9割くらいだと思っている。
まとめ
そんなこんなでいろいろな感情を抱かせてくれた本作。
僕としてはなかなか楽しめました。
僕はみゆルートが一番好きで、もうあれがトゥルーでいいんじゃないかと思うくらい気に入っているので、全体としては正直、そこまで好きな話ではありませんでした。
でも、刺さる人には刺さると思います。
なんやかんや、こんなにも長い記事を書いてしまったあたり、僕も文句を言いつつもハマっているのかもしれない……。
コメント